子育て中の「母親(自身)が発達障害かも?」特徴と乗り越え方【看護師ママが解説】

子育て中の「母親(自身)が発達障害かも?」特徴と乗り越え方【看護師ママが解説】 親の皆様へ
子育て中の「母親(自身)が発達障害かも?」特徴と乗り越え方【看護師ママが解説】

子どもの発達障害の特性と向き合う毎日の中で、ふと「あれ、これって私にも当てはまるんじゃないか」と感じたことはありませんか。

片付けられない。

うっかり忘れ物をする。

予定通りに進まないとイライラしてしまう。

子どもの特性について調べれば調べるほど、その特徴が自分自身に重なって見えてくる。

そんな瞬間は、決して珍しいことではありません。

ただ先にお伝えしておきたいのは、特性のいくつかに当てはまるからといって、それが「発達障害である」ということを意味するわけではないということです。

そして、もしかしたらその辛さの原因は、発達障害かどうかとは別のところにあるかもしれません。

この記事では、看護師として、そして発達障害のある子どもを育てる母親として、「母親自身の発達障害」というテーマに向き合っていきます。

子育て中に「自分も発達障害かもしれない」と感じるのは珍しくない

子育て中に「自分も発達障害かもしれない」と感じるのは珍しくない

子育てというのは、実はかなりハードな「多重課題」の連続です。

子どものご飯を作りながら明日の持ち物を確認し、きょうだいげんかを仲裁しながら連絡帳に目を通す。

予定は子どもの体調ひとつで簡単に崩れ、常に何かに気を配っていないといけない状態が続きます。

私自身、看護師として働いていたときは、複数の患者さんの状態を同時に把握し、優先順位をつけながら動く「多重課題」には人並み以上に慣れているつもりでした。

それでも、いざ子育てという多重課題の渦中に入ってみると、うまく回らない場面に何度もぶつかりました。

そして正直に言うと、「もしかして私、発達障害なんじゃないか」と思ったことが、一度や二度ではありません。

これは、能力が足りないから感じる不安ではないと思っています。

子育ては、仕事以上に「先の読めない多重課題」を「休みなく」こなし続けるものです。

特性がある・ないにかかわらず、誰もがキャパシティの限界に近づきやすい環境なのです。

だからこそ、その中で「自分にも特性があるのでは」と感じてしまうのは、ごく自然なことだと思います。

母親が発達障害かも?特徴とチェック 

母親が発達障害かも?特徴とチェック

発達障害(ADHD・ASDなど)では、次のような困りごとや特性がみられることがあります。 

  • オフ家事や育児のタスクを同時にこなすのが難しい。
  • オフ忘れ物や、うっかりミスが多い。
  • オフ予定の変更や、急な予定に対応するのが苦手。
  • オフ片付けや整理整頓が苦手。
  • オフ感情の起伏が大きく、強く叱ってしまうことがある。
  • オフ音や光など感覚的な刺激にストレスを感じやすい。
  • オフ人とのコミュニケーションに苦手意識がある。
  • オフ一つのことに集中すると、周りが見えなくなる。

思い当たる項目があった方もいるかもしれません。

ですが、これらはあくまで一般的な「傾向」であり、いくつか当てはまったからといって「発達障害である」と診断できるものではありません。

チェックリストは、あくまで自分の状態を客観的に眺めるための一つの目安として捉えていただければと思います。

特徴やチェックリストは、まずは自分を知るための入り口として捉えてみてください。 

母親が発達障害|遺伝、子どもへの影響

母親が発達障害|遺伝、子どもへの影響

「もし自分が発達障害だったら、子どもに遺伝させてしまったのでは」

そんな不安を抱く方も少なくないと思います。

発達障害には遺伝的な要因が関わっていると考えられていますが、遺伝だけで発症が決まるわけではなく、環境的な要因も複雑に関係し合っていると言われています(※厚生労働省・文部科学省 発達障害ナビポータルより)。

そのため、「親が発達障害だから、必ず子どもも発達障害になる」というものではありません。

母親自身に特性があるかどうかと、子どもが困りごとを抱えているかどうかは、切り離して考えていい問題なのです。

子ども自身の困りごとと、自分自身が感じている辛さは、必ずしも同じ根っこから生まれているとは限りません。

とはいえ、実際には「発達障害児育児」と「母親自身の発達障害」が重なると、独特の難しさが生まれることもあります。 

たとえば、親子それぞれに似た特性がある場合、予定変更への苦手さやこだわりなどが重なり、親子双方が負担を感じる場面が出てくることがあります。 

一方で、自分自身の困りごとへの対処に精一杯になり、子どもの困りごとのサインに気づきにくくなることもあるかもしれません。 

これは「どちらが悪い」という話ではなく、特性が重なったときに起きやすい現象として知っておくだけでも、日々の困りごとの見え方が少し変わってくるかもしれません。

特徴が当てはまるか、遺伝するかどうか。もちろん気になるところだとは思います。

ですが、本当に向き合うべきなのは、実はそこではないのかもしれません。

※参考:【厚生労働省 発達障害者支援施策の概要 】

自分と向き合う時間を大切にしてほしい

自分と向き合う時間を大切にしてほしい

「母親自身が発達障害なのかも」と不安に思ったら、まずは自分がどう思って何を感じているのかを考えてみてください。

自分と向き合い受け入れる時間がヒントになることがあります。

「大人の発達障害」かも?と思った私の話

これは私自身の話です。

看護師として10年以上働き、複数の患者さんを同時に受け持つ多重課題には日常的に向き合ってきました。

それでも子育てでは、驚くほどうまくいかないことが続きました。

忘れ物、予定の見落とし、感情のコントロールがきかない瞬間。

「仕事でも子育てでも躓くことが多い」と、自分を責める日々がありました。

そんなときに出会ったのが「大人の発達障害」という言葉でした。

調べれば調べるほど、腑に落ちることがたくさんありました。

「ああ、これだったのかもしれない」と、少しほっとした気持ちさえありました。

診断がつくことで、気持ちが楽になる方もいると思います。

「原因が分かった」というだけで、これまでの自分を責める気持ちが和らぐこともあるからです。

もし今、あなたが「診断を受けてみたい」と感じているなら、それもひとつの「自分と向き合う時間」です。

私の場合は、そこからさらに自分自身と向き合う時間を重ねました。

何に困っているのか、何が辛いのか、どんなときに調子を崩しやすいのか。

丁寧に掘り下げていった結果、今は「自分はおそらく発達障害ではない」と考えています。

今でも「もしかして」と思うくらい辛い瞬間は、正直あります。

どちらにせよ、「自分と向き合う時間」は子育ての中で「子どもと向き合う時間」と同じくらい大切にしたいと思っています。

本当に大切なのは自分と向き合い受け入れることだった

大切なのは、「発達障害である/ない」という結論そのものではなく、自分自身の状態と気持ちに、きちんと向き合う時間を持つことだと思っています。

向き合った結果、私のように「違ったかもしれない」と気づく人もいれば、診断を受けて楽になる人もいる。

どちらであっても、それはあなたが自分自身を大切にした証です。

自分の状況や気持ちを「SOS」として出していいし、そう感じている自分は、ここに存在していていいのです。

辛い時の対処法

辛い時の対処法

今辛さを感じている方に向けて、できることをいくつか挙げておきます。

  • 紙に書き出してみる…頭の中が整理されて、今の自分の状態が見えやすくなります。 
  • 家族に協力を求める…一人で抱え込まず、家事や育児のタスクを分担できないか、パートナーや家族に相談してみてください。
  • 自分の時間を大切にする…「自分はどうしたいのか」「自分はどう感じたのか」という問いは、 意外と「母親だから」と後回しにしがちです。
  • とにかく休む…食事はレトルトや外食にしてみる、休むために一時的にYoutubeに頼る、家事代行・託児などの外部支援に頼ってみる。

あなた自身の心と体も、大切にケアされるべきものなのです。

専門機関に相談してみる

心療内科・精神科、あるいは自治体の発達障害者支援センターなど、相談できる窓口はいくつもあります。

厚生労働省や政府広報オンラインでも、大人の発達障害に関する専門相談窓口として「発達障害者支援センター」や「精神科・心療内科」が案内されています(※政府広報オンライン「大人になって気づく発達障害」)

「診断を受けるかどうか」を決める前の段階でも、話を聞いてもらうだけで気持ちが軽くなることもあるかもしれません。

どこに行けばいいか迷う場合は、まずは心療内科や精神科(「大人の発達障害外来」を掲げているクリニックもあります)に相談してみるのが一つの目安です。

初診では、子どもの頃からの困りごとや、現在の育児・生活で感じている辛さについて聞かれることが多いので、事前に簡単なメモを用意しておくと話しやすくなります。

いきなり大きな決断をする必要はなく、「話を聞いてもらうだけ」という気持ちで訪れてみるくらいで十分です。

カウンセリングも困りごと解決のために必要なプロセスのひとつです。

特に医療者のカウンセリングは医学的な知識に基づいているので、「ただ話を聞いてもらうだけじゃ申し訳ない」と思う必要はありません。

受診やカウンセリングは、困りごとを整理し、必要な支援や対処法を考えていくための一つの手段です。 

「母親(自身)が発達障害かも」と悩む人へ

そしてもう一つ、お伝えしたいことがあります。

もし自分にも特性があるかもしれないと感じているなら、それは同時に、子どもの気持ちに人一倍寄り添える可能性があるということでもあります。

「分かるからこそ、寄り添える」

発達特性と向き合う母親だからこそ、子どもの困りごとに気づき、寄り添える場面もあるのかもしれません。 

まとめ|「発達障害かも」と思ったら、まず知ってほしいこと 

まとめ|「発達障害かも」と思ったら、まず知ってほしいこと

子育て中に「自分も発達障害かもしれない」と感じることは、決して珍しいことではありません。

特徴やチェックリストは一つの目安にはなりますが、大切なのは診断名そのものよりも、自分自身の気持ちと丁寧に向き合う時間を持つことです。 

辛いと感じているなら、それはあなたが弱いからではありません。

その気持ちをSOSとして出していいし、あなた自身も大切にされていい存在です。

一人で抱え込まず、少しずつ自分の気持ちに耳を傾ける時間を作ってみてください。 

もし今、もう少し自分の状態と向き合ってみたい、あるいは今の辛さにどう対処したらいいか知りたいと感じているなら、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

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